shozaifumei

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今日2

2019/01/26

 

「何もしないでいるのが不安で耐えきれない人間」になりたかった。

駅に向かう途中、聴いていた歌の詞がきっかけだった。

私は何もしないでいて、不安で耐えきれないでいて、しかしそのまま虚無の中にいてしまう。
だからといって虚無と付き合えているわけじゃない。

虚無は嫌い。なのに私は虚無に喰われている。

そこから抜け出すエネルギーがない。

この事について少し文章を書いたけど、辛くなったので消した。もう少し言葉にできたら追記するかもしれないし、しないかもしれない。

 

今朝、スマホのバイブの余韻によって目が覚めた。スマホの着信履歴を見ると、さっきの着信は実家のルーターの契約会社からだった。履歴にはもうひとつ着信があった。母だった。気が重かったけれど、履歴書を送った先からの返信が届いたのかもしれないと思って(履歴書の住所は実家にした)、電話をかけた。

母が用あって東京へ出るので、夕方から会うことになった。ハキハキとした口調で、急かされているような気分になったけれど、悪い気はしなかった。外に出るきっかけができてよかった。あと、やはり履歴書を送った先から封筒が届いていたらしい。持ってきてほしいと伝えた。

 

 

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らんぶるのコースターを貼った文庫ノート。一辺だけ糊付けせずポケットにしているので定期なんかを入れられる。

 

東京駅に向かっていたのだけど、少し歩いていこうと国会議事堂前で降りた。料金が少し安くなると思ったら、そのまま東京駅に行くのと変わらなかったと、改札でピッしたときの料金表示で知った。地上に上がると人の気配がなく、バリケードの付いた警察車両と警察官が二人、道路に立ちふさがっていた。ほえー、と眺めながらグーグルマップを開き、皇居を通って東京駅に向かった。

 

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東京と銀座の間をぶらぶらした。
ユニクロのブロックテックパーカーのブルーかわいい。

金ないので来年買う。
母と合流して、ご飯を食べることになった。オムライスが有名な喫茶店「you」に行くか、そのとなりのサンドウィッチが巨大なアメリカンなお店に行くか、もうひとつ、小学生の時の友人が働いているパンケーキの有名なレストランに行くかで迷った。パンケーキが食べたかったのか、友人を見たかったのかわからないけれど、私はレストランに行こうと言った。

着いた先は、なんだか入りにくい出で立ちのレストラン。おろおろしていると、土曜の夜だからか次々と他のお客さんが押し寄せて、私たちは先を越されていった。意を決して中に入ると、受付のお姉さんが人数と食事の利用かを聞いてくれた。お姉さんの後ろからさらに現れたお姉さんに案内されて、店の奥に進んだ。
店内は薄暗く、幾層にも重なったお客さん同士の会話と、居酒屋の店員並みにハツラツなウェイトレスたちで騒がしかった。口コミでそのようなことは以前に読んでいたけど、本当だった。店内の奥にはオープンキッチンあって、私は友人の姿を探して、あっさりと見つけた。とりあえず席に着いて、友人を眺める。真ん中にいる、と母に伝えた。友人は厨房の中心で動いていた。核となるメンバーなのだろうか、というより、核そのものの役割を担っているような立ち回りに見えた。

私だったら死んじゃうような忙しさの中で、友人は真剣なまなざしでサクサクと息つく間もなくフライパンを振るったり料理を盛り付けたりしている。私が昔書いた、私と、料理の道に進んだ友人と、当時ギターをやっていた友人の将来を思い描いた絵を思い出した。そこに描いたとおりの光景を、友人が目の前で実現していた。

 

ウェイトレスさんが飲み物の注文を聞きに来てくれた。

最近、ポッキーさんというゲーム実況者の、「wanna sprite cranberry〜♪」と歌う男にファンタを投げつけるホラーゲーム実況が面白かったので、クランベリーを頼んだ。メニューにはドリンクしか載っていなくて不思議に思っていたけれど、ドリンクを先に頼むシステムらしく、そのあと食事のメニューをもらえた。よくわからない名前がいっぱいで、これはなんぞやとスマホググる。母がお手洗いに行くと言って逃げたので、私が頼むことになった。

頼んだのは、ほにゃらららなんちゃらのフジッリと、ナントカカントカのスパゲッティ。

注文をなんとか遂げてほっとした私はまた厨房の友人を眺めた。
厨房内を動き回る中で他のスタッフと幾度となく隣り合う瞬間があって、そのたびに何やら言葉を交わし合い、笑顔を浮かべていた。あんなにかわるがわる断続的にいったい何を話しているんだろう。すごいなぁ。エネルギー。学童でわんぱくに走り回っていた友人の姿が思い返された。よく一緒にマラソン大会の練習したなあ。

 

前菜とスパゲッティが先に来た。前菜にはアーモンド、モッツァレラチーズダイストマトビーンズ、あと何かの野菜が入っていて毎日食べたいと思った。スパゲッティも程よくアルデンテでしょっぱくて美味しかった。

ウェイトレスさんがお水を持ってきてくれて、お皿を下げてくれた。

その次も、次に来るフジッリの取り皿を持ってきてから、空いたお皿を下げてくれた。ただお皿を下げるだけ、という動作がなかった。私はただお皿を下げられても気にしないけど、きっとそういうマナーが存在するのかもしれない。マニュアルのないカフェで働いてた時、そういうことを教えられなかったし、自分で、お皿を下げるときはお水を注ぐついでに、とか意識はしていたけど、自分がされる側になると、自分はここまで気を遣えていただろうか、と思った。思い返したらちゃんとやってたけど、混雑しててお皿が足りない時とかはお皿だけ下げていたこともあったので反省した。働いていたカフェと このレストランとではキャパが違うけれど。

マナーがあるならそのマナーを知った上で気を遣いながらする動作と、マナーとか知らなかったけど無意識にしていた動作とでは、前者のほうが「自分はちゃんとやれてる」と自分でわかり自信に繋がると思うから、前者でやっておきたかった。後者は誰かに褒めてもらわないと気づけないし、偶然できなかった時にも自分では気づけないのが怖い。

 

1時間くらい経っても友人はずっと変わらぬ早さでもりもり動いていた。
私は椅子に座ってるだけで疲れてきている。

となりの席の若い男女は、誰が誰を振った、振った理由はこうで、でもそれを面と向かっては言えなくて、とかいう話をしていた。

厨房では時々フランベが行われて、薄暗い店内が淡く明滅した。友人は片手間に後輩らしき子に料理の過程の何かを教えているみたいだった。

デザートのパンケーキが来た。
パンケーキの上に乗っかっていた白い塊をアイスかと思ってスプーンいっぱいにすくって食べたらバターだった。
私の記憶が改竄されてなければ、このパンケーキは人生で二番目に美味しかった。
(ちなみに一番美味しいのはホットケーキパーラーfur-full)

 

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お店を出て、オニツカタイガーに行った。欲しかった靴は売り切れだった。近くのもう一店舗に行ったけど、取り扱いがなかった。オンラインショップでも売り切れだった。

帰り際、履歴書送付先からの封筒と、母が出先でもらったというチョコやせんべいをもらった。
東京駅の改札脇で接吻する男女がいた。私はそれをガン見し、私に見られていますが、どうですか、と念を送ったが、二人はお互いを見つめ合うのに夢中で私の視線に気づかなかった。しかし、その時には私自身がそんなことはどうでもよくなっていた。

 

私は丸ノ内線だったので、改札前で母と別れた。

寒すぎたので、丸ノ内線の入口まで小走りで向かう。

履歴書送付先からの封筒は家に着いてから開けるか迷ったけれど、いま開けたほうが結果が分かって楽だと、駅のホームで開けた。中身を取り出さず、封筒の口から文章を覗き込む。この度は貴殿のご期待に添えない結果となりました、という文字列が目に入り、ホッとした私がいた。家に帰って、今後の改善の参考になるかな、と履歴書だけ抜き取って、あとは封筒ごと捨てた。