shozaifumei

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腕毛を剃った話。



腕の毛を剃った。
ついでに足のも。


中学生くらいの時から何回か、興味本位で腕と足の毛を剃ったことはあった。
みんなもあると思う。
もしかしたらないかもしれないけれど。
だとしても、「生きてるだけで、愛」という映画の主人公が、子どもの頃に体中の毛を剃ったことがあると言っていたので、私は一人じゃないと思う。

興味本位というか、とにかく毛が気持ち悪くて剃ったのかも。あまり覚えていない。
でも、今回はきっかけが違った。今回と同じ理由で毛を剃るのは2回目だった。せっかく改めて剃ったので言語化したいと思いここに記した次第です。

今日初めて行く施設で、男性のかたが案内と説明をしてくれたのだけど、話している時、ふと、その人の毛深い腕を見て「怖い」と思った。

たぶん、やっぱり腕なのだと思う。人が何かを為すとき、腕を使うから。それは目の前に伸びてくるから。トラウマになるから。だからそれに比べて足の毛深さは気にしないのかもしれない。

個室に入ってその人の説明を聞いていると、私は意識がどこか別のところに飛んでしまって、過去の過ちとか、この後どう帰ろうかとか、覚えていないのだけどその他諸々のこともおそらく考えていて、そのうち私の視点は目の前の男性の腕にとまったのだと思う。その男性は毛深かった。
毛深さそのものが恐怖なわけじゃない。でも、どうしても「毛深さ」と、そこに腕の太さや声、顔までが関わってくると、男性にいい思い出のない人からしたら恐怖と連動してしまうこともあるかもしれない。この人はあの人みたいな人じゃないから、と個人個人を区別することは難しい。ましてやはじめて会う人なんか。
まるで別人が乗り移ったかのように、私の中にそんな思考が巡った。

私は、自分の中で性別が切り替わることがある。たぶん、最近になってから。
ふとした瞬間に、「いま女だ」と思う時がある。
今日、その毛深い男性を目の前にしていて、急に怖くなった。
その時、私は女だったと思う。
もし自分が女だったら、今怖いかもしれない、と思ったのか?いや、私自身が怖いと感じていたので、「もし自分が女だったら」という想像ではなくて、やっぱりその時、私自身が女だったのだと思う。というか、たとえ私が男の状態で目の前の毛深い男性に恐怖を抱いたとしてもなんらおかしくない。女だからとか、男だから、とかじゃない。

その男性の腕を見て怖いと思って、それから自分の腕を見た。毛の濃さは普通だと思う、思いたい。
でも今日そんなことがあって、お風呂入るとき剃ろう、願わくば帰ったらすぐに、と決めた。


PS
毛深い男性に魅力を感じる人もいるだろうし、逆に毛のないつるつるな肌に恐怖を抱く人もいると思う。現に私は、アル中だった父の腕が、毛の一本も生えていないつるつるの肌だったので、今でも似たような腕を見ると血の気が引くし、実際腕の毛を剃った自分の腕がそれに似ていて目をそむけたくなる。じゃあなんで剃ったんだと思うけれど、それは私にもわからない。ただの天秤の差かもしれない。